基礎 · 9分で読める
廃業 vs 承継 ― 手元に残るお金と、残せるもの
「もう、たたむしかない」と決める前に。廃業の費用、承継で残せるもの、価格の考え方まで、データを交えて比べます。
01廃業には「出ていくお金」がある
廃業(解散・清算)には、意外と費用がかかります。代表的なのは、解散・清算人選任の登記(約3.9万円)と清算結了の登記(約2千円)で合わせて約4万円、解散の官報公告に約3.2〜3.6万円、手続きを司法書士等に依頼する場合は10万円前後が目安とされます。
これらに加え、在庫・設備の処分費用や原状回復費用が乗ります。自社で手続きするだけなら数万円で済むこともありますが、処分や原状回復まで含めると百万円単位になることもあるとされます。長く続けた事業が、最後に持ち出しで幕を閉じてしまうのは避けたいところです。
廃業は「お金がもらえる」どころか、登記・公告・処分・原状回復で費用が出ていくことも多い。
02失われるのは、お金だけではない
廃業を選ぶと、従業員は職を失い、取引先は長年の仕入れ先・販売先を失います。地域経済にとっても、培われた技術やサービスが一つ消えることを意味します。数字に表れない「残せなかったもの」の損失は、決して小さくありません。
03承継なら、事業に「値段」がつく
第三者への承継(M&A)では、事業そのものに値段がつきます。続いてきた取引先・従業員・ノウハウ・許認可は、買い手にとって価値あるものだからです。結果として、手元に資金を残しながら引退できる可能性があります。
価格の目安は、中小M&Aでよく使われる年買法(時価純資産+営業利益×1〜5年)など複数の手法で試算します。無料の価値診断を使えば、専門知識がなくても想定譲渡価格のレンジ(幅)を把握できます。
04「黒字廃業」という、もったいない現実
帝国データバンクの調査によると、2024年に休廃業・解散した企業のうち約半数(51.1%)は直前期が黒字だったとされています。経営者の平均年齢は71.3歳と過去最高で、70代以上が約6割を占めます。続けられたはずの黒字事業が、後継者不在を理由にたたまれているのです。
「黒字なのにたたむ」前に、第三者に引き継ぐ道があるかを一度確かめる価値は十分にあります。廃業は費用負担と『残せない』痛みが伴い、承継は時間はかかるものの『残しながら、対価を得て引退できる』可能性があります。まずは無料で価値を知り、二つを並べて比べてみてください。
廃業企業の約半数は黒字。「もったいない承継」を逃さないために、まず価値を知る。